「Bíó06 アイスランド映画祭」は、アイスランド語で「映画館」という意味の「Bíó」をキーワードに、アイスランド映画の断片を多彩に紹介する映画祭です。
島国・火山国・盛んな漁業・捕鯨文化など地形的な共通点も多い日本とアイスランド。地理的な遠さからこれまでお互いの国を旅行する人は少なく、文化について知られることはあまり多くありませんでした。しかし2001年、両国に大使館が設立された前後から、相互での情報流通も活発化し、日本国内では観光や音楽シーンを通してアイスランドへの興味が、確実に沸き起こっています。2005年には、カルチャー誌や旅雑誌などで、毎月のようにアイスランドが紹介されるまでになりました。
また、この映画祭と同時期にアート、音楽方面でもアイスランド関連のイベントが行われます。東京の原美術館では昨年末からオーラヴル・エリアソンの日本初の個展が好評を博し、期間を延長して3月頭まで開催されています。4月には、いまやビョークと共にアイスランドを代表するミュージシャンとなったシガー・ロスの単独来日公演も決定し、話題を呼んでいます。
アイスランド国内でも2003年に、アイスランド大学にアジア語として初の日本語学科が設置され、人気学科となり、日本への交換留学生を受け入れる大学も増えてきました。このように、漁業や自動車などの産業が主な外交関係であった日本とアイスランドに旅行・観光・文化という新たな関係が築かれつつあります。
「Bíó06 アイスランド映画祭2006」では、多方面におけるアイスランドへの関心を肌に感じつつ、これまで体系的に紹介されたことのないアイスランド映画をまとめて上映することで、アイスランド映画への認知を深めること、さらに製作者との交流を通して、市民レベルでの文化交流関係を構築し、両国の友好と理解、ひいては両国のネットワーク形成を深めることを目標としています。
さらに、2006年は日本・アイスランド国交樹立50周年の節目にあたります。ミュージカル、ファッション面など記念事業も多岐にわたり企画されています。「Bíó アイスランド映画祭2006」が、より深い両国交流を目指す記念事業の第一歩となりえることを期待しています。